図 (Figures and captions)
図は論文の命である。特に気象学の論文では、図を用いて論文が展開されていく。ここでは論文の図とその引用について説明する。
- 論文の図は、文章を推敲するように何度もよりよい図に改訂して、これ以上修正の余地がなくなるというまで改訂するべきである。気象の論文では、等値線やトーンを重ねて用いた図が多いが、等値線の太さや種類、間隔、ラベルの付け方、トーンであればカラーでもモノクロでも適切にトーンのレベルが選ばれていなければならない。具体的には次のような点を注意するべきである。
- 等値線の太さ、線の種類(実線、点線、破線、鎖線など)の選び方が適切か。
- 等値線の間隔とそれに付ける値のラベルは適切か。
- 過剰に等値線等で表示する物理量が重なりすぎてみにくくなっていないか。
- 本来データのないところまで、描画していないか。(たとえば、AMeDASのデータを格子点に内挿した図で、海上まで等値線が延びているものを見かけるが、これは不適切である。基本的に外挿はしない。)
- 等値線のラベル、座標軸のラベル、図中の文字の大きさは印刷に耐える程度に適切な大きさになっているか。しばしばGradsなどで描いた図のラベルが小さすぎるのを見かける。ジャーナルに印刷されるときは縮小された図となるので、原図でみられる大きさでも、印刷するとみえなくなる、あるいはみえにくくなるような大きさのものは、修正されなければならない。
- トーン(カラーおよびモノクロ)を用いた図では、印刷時にも各階調が明瞭に識別できるようになっていなければならない。特にモノクロのときは注意が必要である。
- 気象の論文では物理量を重ねて表示することが多いが、みにくくなるほど重ねてはいけない。1枚の図に入る情報には限界がある。過剰な重ね合わせの図は、別々の図にするなどの工夫が必要である。
- 複数の図が1枚の図に含まれる場合は必ず、(a),(b),(c)...などの識別子をつけて、引用するときには、Fig.1a, Figs.2a and 2bのように、図のどれを指しているのかが読者に明確にわかるようにしなければならない。
- 図の説明は簡潔にして、過不足なく書くこと。図説に含まれるべき基本
はTPO (Time, Place, Objective)である。その意味するところなどは、
本文中に含まれるべきで、図説には載せない。
- 英語論文で図を引用する場合、多くのジャーナルの形式では、
- 文頭では、"Figure 1 shows", "Figures 12a and 12b show" のようにFigureとスペルアウトする。
- 一方で、文中では、"... is shown in Fig. 1", ...(Figs. 12a and 12b)" のように省略型"Fig."を用いる。
この場合、
ピリオドと図番号は一文字あけることにも注意が必要である。