自動詞 (an intransitive verb; vi)と他動詞 (a transitive verb; vt)


 文(sentence)の述部を構成する動詞が、自動詞か他動詞かは文型と関係して、また、態の変換に関して重要である。たとえば、「構成する」という表現も、

Water consists of hydrogen and oxygen.      (consist は自動詞)
Switzerland is composed of twenty-two cantons.  (compose は他動詞)

のように、他動詞は動詞の直後に目的語をとるが、自動詞はその後に前置詞を置く。また、能動態と受動態でも注意が必要である。



【動詞の種類と文型】

 動詞には大きく分けて、目的語をとらない自動詞と、目的語をとる他動詞がある。これらはより細かく次のように分けられる。

    自動詞:

  1. 完全自動詞: 目的語も補語も必要としない動詞
  2. 不完全自動詞: 補語を必要とする自動詞

    他動詞:

  3. 完全他動詞: 補語を必要とせず、目的語を必要とする動詞
  4. 授与動詞: 間接目的語と直接目的語をとる動詞
  5. 不完全他動詞:目的語と補語の両方を必要とする動詞
これらによって基本の5文型が次のように決まる。
  1. 主語+完全自動詞 (S+V)
  2. 主語+不完全自動詞+主格補語 (S+V+C)
  3. 主語+完全他動詞+目的格 (S+V+O)
  4. 主語+授与動詞+間接目的語+直接目的語 (S+V+O+O)
  5. 主語+不完全他動詞+目的語+目的格補語 (S+V+O+C)
注意点としては、
  1. 完全自動詞と不完全自動詞の両方の働きをする動詞も多い。
  2. 主格補語になりうる語句は、名詞、代名詞、形容詞、不定詞、現在分詞、過去分詞、動名詞、名詞句、形容詞句、名詞節などの例がある。
  3. 動詞によっては自動詞と他動詞の両方になりうる動詞も多い。目的語があれば他動詞、なければ自動詞である。
  4. 授与動詞(S+V+O(間接目的語)+O(直接目的語))を書き換えて、間接目的語を直接目的語の後におくときは、間接目的語の前に前置詞(to, for, of)をつけて副詞句にする。
    • I paid him my debt.
    • I paid my debt to him.
以下に論文でしばしばみられる自動詞と他動詞の例をあげる。

【自動詞として用いられるもの】

【他動詞として用いられるもの】

【他動詞としても自動詞としても用いられるもの】



英語論文を書くときの注意点

論文の書き方