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  • 気象データ解析のためのPython環境構築(For Windows)

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    このページでは2022年度のVL講習会向けに,Anacondaを使ってPython環境構築する場合の一例をまとめています。
    Windows 10の場合を紹介していますが,11でも同様の方法でインストールできます。

    *全部インストールすると10 GB近くになります。インストール前にHDD(SSD)の容量確認することをおすすめします。

    1. Anacondaをインストールする
    2. ここからAnacondaのインストーラをダウンロードする。その後,ダウンロードしたインストーラを実行する。

      インストール

      "64-Bit Graphical Insteller"を選択

      インストール

      インストーラーを実行するとこのような画面が表示される。
      "Next"をクリックして次へ

      インストール

      "I Agree"をクリックすると次にすすむ

      インストール

      "Next"をクリックして次へ

      インストール

      anacondaのインストール先を指定し,"Next"をクリック
      *ほとんどの場合そのままで大丈夫

      インストール

      指定したインストール先にスペースが入っているとNextクリック後このようなメッセージが表示される
      "OK"を押すことで次にすすめる(今回はこのメッセージを無視する)

      インストール

      "Register Anaconda3 as the~"だけ有効にする(AnacondaのPythonをデフォルトのPythonにする)

      インストール

      インストールには数分かかる
      完了後,"Next"をクリック

      インストール

      "Next"をクリック

      インストール

      図では片方チェック入っているが,どちらも外してから"Finish"をクリック

      インストール

      Windowsの検索機能で"anaconda"と検索するといくつかツールが出てくる
      今回は"Anaconda Prompt (anaconda3)"を使用し環境構築をおこなう *Anaconda Powershell Promptでもよい

    3. 解析用の仮想環境を構築する
    4. 仮想環境を構築し,必要なライブラリのみをインストールすることでバージョン管理などが容易になる。仮想環境の構築はAnaconda Prompt上で以下のように実施する。

      conda create -n vl_lab -c conda-forge python=3.9

      途中"Proceed ([y]/n)?"ときかれる。yを入力してからエンターを押すと仮想環境構築が始まる。

      この場合"vl_lab"という名前の環境が作られ,環境構築時にpython3.9がインストールされる(vl-labは任意の名前に変えても良い)。-nは環境名を指定するオプション,-cはライブラリのインストール元を指定すオプションである(今回はconda-forgeを使う)。

    5. 構築した仮想環境への移動
    6. 以降,"vl_lab"という仮想環境を作ったものとする。conda activateを実行することで仮想環境に切り替わる。

      (base) conda activate vl_lab
      (vl_lab) #Activateした仮想環境に切り替わる
      

    7. 研究に必要なツールのインストトール
    8. 気象データの解析に必要なライブラリをvl_lab環境にインストールする。numpyやmatplotlibなど主要なものは以下のものをインストールする際に依存関係(あるライブラリが動作するために必要なライブラリ)で一緒にインストールされる。

      仮想環境がvl_labであることを確認した後(ターミナルの先頭が(vl_lab)であれば良い),以下のコマンドを順番に実行する。-c conda-forgeはconda-forgeからインストールすることを示し,-yはインストールの確認をスキップするオプションである。

      • netCDF4 (ERA5などで使われているデータ形式であるnetCDFを扱うためのライブラリ) 公式ドキュメント
      • conda install -y -c conda-forge netCDF4
      • cfgrib (JRA-55などのデータ形式であるGRIBを扱うためのライブラリ) 公式ドキュメント(GitHub)
      • conda install -y -c conda-forge cfgrib
      • jupyterlab (Pythonの開発・実行環境) 公式ドキュメント
      • conda install -y -c conda-forge jupyterlab
      • metpy (気象データの解析に特化したライブラリ) 公式ドキュメント
      • conda install -y -c conda-forge metpy

    9. ライブラリがインストールできたかどうか確認する
    10. ここではpython3のインタラクティブモードでライブラリをインポートすることにより確認する。 *#はコメント(入力しなくて良い)

      (vl_lab) python
      #Python 3.9.10 | packaged by conda-forge | (main, Feb  1 2022, 21:22:07) [MSC v.1929 64 bit (AMD64)] on win32
      #Type "help", "copyright", "credits" or "license" for more information.
      >>> import numpy
      >>> import matplotlib
      >>> import pandas
      >>> import xarray
      >>> import cfgrib
      >>> import metpy
      >>> import netCDF4
      >>> exit() #インタラクティブモードを終了する。
      

      エラーメッセージ等が表示されなければインストールが成功している。

      "ModuleNotFoundError: No module named ライブラリ名" とエラーが出てきた場合,そのライブラリを再度conda installによりインストールしてからもう一度確認してみる。

    11. conda-forgeからのインストールを最優先させる
    12. 先ほどはcオプション(-c conda-forge)により全てのライブラリをconda-forgeからインストールするよう指定していた。cオプションで指定しなかった場合,初期設定ではDefaultsチャンネルからインストールするようになっている。Defaultsチャネルとconda-forgeチャネルのライブラリは互換性はあるが100%ではないため,混ぜると不具合が生じることがある。

      したがって,ここではデフォルトで全てのライブラリをconda-forgeからインストールするための設定をおこなう。

      conda config --add channels conda-forge    #conda-forgeをインストール時に最優先で参照するチャネルとして追加
      conda config --set channel_priority strict #conda-forgeから全てのライブラリや依存関係をインストールする
      conda config --get channels                #現在のチャンネル設定の表示
      #--add channels 'defaults'   # lowest priority
      #--add channels 'conda-forge'   # highest priority
      

      以上により,conda-forgeが最優先で参照するチャネルとなった。これ以降,-c conda-forgeを入力しなくてもconda-forgeからインストールされるようになる。

      参考:Conda-forgeドキュメント(Using multiple channels)

    13. その他(以下の設定は任意)
    14. ・Anaconda Prompt起動時にbase環境ではなく解析環境を起動させる

      デフォルトではAnaconda Promptを開いた際に(base)環境が起動するようになっている。最初から解析環境を起動させたい場合は以下の通りショートカットキーのリンク先変更する。

      *Win10と11でやり方は同じ。Anaconda Powershell Promptでも同様の方法で設定できる。

      インストール

      メニュー上でAnaconda Promptを右クリックし,ファイルの場所を開く

      インストール

      Anaconda Promptを右クリックし,プロパティを選択

      インストール

      ショートカットタブを選択し,リンク先の最後の方に仮想環境のパスを追記する。

      これによりターミナル起動時に"conda acitvate vl_lab"が実行されるようになる。Anaconda Promptを再起動すると最初から解析環境になっているはず。

      ・その他気象データ解析に使いそうなライブラリのインストール

      以下は必要に応じてインストールしてください

      • Py-ART: 気象レーダデータ解析・可視化ライブラリ公式ドキュメント
      • *日本のレーダデータを処理するにはCF-Radial形式等に変換をする必要がある。

        conda install -y -c conda-fogre arm_pyart
      • PyBufrKit: PythonでBUFRフォーマットのデータ(気象庁ウィンドプロファイラ等)をデコードする 公式ドキュメント
      • anacondaにないのでpipからインストールする

        pip install pybufrkit
      • Satpy: 衛星データの処理・可視化ライブラリ 公式ドキュメント
      • conda install -y -c conda-forge satpy