質疑応答



竜巻予測に関するコメント

 竜巻予報を出すことの難しさは、竜巻予測の特殊性にある。降水や気温は、人間に比べて(あるいはモデルの格子点の大きさに比べて)はるかに大きな領域について、ある精度(誤差5mm/hrや1度など)で予測される。一方で竜巻の場合は、ある1地点で存在するかしないかを予測しなければならない。極めて小さい規模で、その1地点でみるとまれにしか発生しない竜巻を、しかもまだメカニズムも十分解明されていない竜巻を、このように予測することは非常に困難である。わが国における竜巻予測を発展させるためには、予報する側の努力はいうまでもなく重要であるが、一方で予報の受け手側(たいていは一般の市民)の竜巻予測の特殊性と難しさの理解も不可欠である。一言でいえば、竜巻予報が出て、それが的中しなかったとき、「ああ、この予報がはずれてほんとうによかった」と心底思えることが重要である。