チーム雲解像 研究概要

* 2007年12月20日




21世紀気候変動予測革新プログラム  チーム4

研究代表者 坪木和久

研究課題名:「雲解像モデルの高度化とその全球モデル高精度化への利用」

■チーム略称:チーム雲解像
■チーム英文名:cloud modeling
■一般向けHP用チーム名:雲解像モデリング


研究概要

 地球温暖化を含む気候変化に対して、大きな影響を及ぼすプロセスの一つに雲のプロセスがある。全球モデル・気候モデルでは雲に関する不確定性の低減が気候予測の高精度化に不可欠である。また、雲の物理プロセスは台風や集中豪雨などの極端現象において中心的役割を担うもので、自然災害の高精度量的評価に重要である。そこでこのチームでは雲解像モデルを用いて、雲の物理プロセスの解明とそのモデル化を行う。具体的には次の4つの項目を中心に研究・開発を行う。(1) 雲解像モデルの雲物理プロセスを詳細に検討しモデルの高度化を行う。これにより雲の形成をはじめとして、豪雨や降雹などの激しい現象などの高精度な計算をめざす。(2) 雲を直接解像する実験を多数行い、衛星観測と組み合わせて雲パラメータのデータを整備する。特に雲形成による大気加熱などについて、統計的データセットを構築する。(3) 全球モデルの計算において、特に雲の計算が必要なところに雲解像モデルを組み込み、全球−雲解像結合モデルの計算を行う。雲のプロセスを直接計算することで、全球モデルの計算の高精度化をめざす。(4) 社会に大きなインパクトを与える台風について、現在気候と温暖化気候の全球モデル出力を用いて雲解像実験を行い、台風に伴う豪雨や強風について量的精度を検証する。さらに全球モデルの再現する台風について雲解像モデルとの比較・検証を行う。