CReSS vs 衛星検証研究打ち合わせメモ
- 日時
- 2008年4月10日(木) 12:00〜17:00(中断:14:00〜15:00)
- 場所
- 千葉大CEReS 研究棟209号室(樋口研)
- 参加者
- 樋口・山本(CEReS)、篠田 (HyARC)
加藤さんの修士論文について
- 夏季のCReSSの結果では下層雲と上層雲に頻度のピークがある(ダブルピーク)。
- 観測結果ではその様なダブルピークは見られない。
- 特に夏季においてCReSSの結果の上層雲の割合が衛星観測に比べて著しく多い。
- 第一印象の通り、上層雲が広がりすぎていると思われる。
- モデルにおいて雪を作りすぎている or 霰をもっと作った方が良い?
- 水平分解能や鉛直分解能依存性を確認する必要がある。
- 下層雲の頻度のピークについて:
- 現在の水平解像度では下層雲(積雲)をきちんと表現できているとは思えない。
地表面を見ている可能性がある。
- → 衛星観測データで地表面と雲の分離表現は可能か?(課題)
- 衛星観測とCReSSで合致したとされる中層雲の頻度のピークについて:
- 冬季はCReSS雲ナシ、衛星観測雲アリの空振り率が減少する。
- 計算時間の変化(1時間→12時間)による散布図の傾向の変化はあまり無さそう。
今後の作業(今年度前半)
- 各スナップショット毎に CReSS-SDSU-Tbb と MTSAT-1R-Tbb の水平分布、
両者の差分の水平分布、散布図を並べた図を作成。
- htmlで表示(公開)して多くの目で確認する。
- 差分値の頻度分布を描かせてみる。
- 可能であれば、上記にSDSU、MTSATともBTD(輝度温度差)画像を追加する。
- 樋口研の4年生の演習課題とする。まとまらなければ樋口さんor山本さんが
実行する。
- 衛星観測とCReSS-SDSUの雲域に対応したスレッドスコアを作成する。
- 衛星観測における地表面と雲域の分離アルゴリズムの検討。
- 地表面と雲域の分類にはMTSATではなくFY2を用いる方が良い?
- IR1, IR2 のradiometerとしての精度の問題から。
- AVHRRで同手法の文献がある?
- MTSAT-Visibleを使えば、日中に限って分離は可能である。
- 最初からCReSS-SDSUの雲域のみを対象として解析を行っては?
- 雲域の大きさ分類を行う。
- 坂本アルゴリズム(Kondo et al., 2006) の使用。
もう少し長いスパンの課題(今年度中?)
- CReSSシミュレーション実験→SDSUの自動化の実施。
- HyARCの方で実施する?
- ネットワークにかかる負荷は、CReSSの出力結果を転送するよりも
MTSATデータを転送する方が軽い。
- CEReSでシステム構築を行ってシステム(マシン)を送るか? HyARCの
マシンで実施するか?
- 氷水量のチェック。
- CReSS-SDSUの85GHz帯TbbとAMSRやTRMM/TMIの85GHz帯Tbbの比較を行う。
- IR同様に水平分布の比較、差分、散布図を作成してみる(1日1枚)。
- 可降水量のチェック。
- CReSSの出力結果から計算される可降水量とAIRSの可降水量
(雲がないところのみ)の比較を行う。
- 温度プロファイルについても比較を行う。
- ある程度合うのではないかと予想。
- 光学的厚さのチェック。
- CAPCOMを用いてCReSS-SDSUの結果から光学的厚さを計算し、MTSATの結果
(GPV or JRA-25 を併用して解いたMTSATベースの光学的厚さ)と比較する。
- 放射屋さんと議論する際には必要。
将来への課題(今年度中に種を蒔く)
- NICAM出力値への適用。
- CReSS-SDSUの手法を、NICAMに適用できるか検討する。
- MIROC(Cloud fraction)への適用。
追記:今年度のCReSSを用いてシミュレーション実験の予定
- 2008年4〜6月:西部熱帯太平洋(パラオ周辺)・台湾〜南西諸島域
- 水平解像度は5km程度、一部領域or期間については1km実験を実施する。
- 2008年7〜11月:名古屋周辺域
- 2008年12月〜2009年3月:北陸or北海道西岸:
- 水平解像度は5kmと1km。雪雲を対象とした狭領域高解像度実験。
2008年4月14日: 初稿
文責: 樋口篤志・篠田太郎