宮古レーダー観測2006 観測野帳

6月11日 大宜味から多良間へ移動

朝 大宜味では弱い雨。

那覇発の飛行機1時間20分おくれる。

昼 宮古島着 ざーざー降りの雨

16:00すぎ 多良間着 雨。

17:30頃雨は止んでいた。

19:00すぎ 夕日を見に行く。久しぶりに太陽が顔を出したらしい。 夕日が見えるのは今回の観測が始まってはじめてだって。 東側には大きな虹。雨が止んだ後はけっこう涼しい。

土曜日(6月10日)は大雨が一日中続き、地元の人もびっくりするほどの大雨だったらしい。こんな大雨はここ数年なかったそうだ。

宿の庭は20cmほど水に浸かったらしい。(でもこの島ではすぐに引くそう。)

6月12日

朝 久しぶりの晴れ間(らしい)。じめじめ蒸し暑い。

北東−南西に3本の線状の降水エコ−

11:30頃降雨開始。断続的に激しい雨。

12:00すぎ 風向が南西から北西(北より)にかわる。

12:16雨はほぼおさまる。

その後、晴れ間が見える。陽射しは強くはないが、蒸し暑い。

夕方 沖縄本島(だったかな?)付近にまとまった強い降水帯あり。そこから南西にのびる線状降水帯あり。多良間の南にもその一部と思われる線状の降水帯がレ−ダ−にとらえられる。

17:00すぎ 観測サイトから、南側に線状の雲が見える。(レ−ダ−で見られる線状降水帯??)

17:40南南東に虹。

17:50南側に積乱雲(かな?)。東へ移動。

***メモ***

*観測開始方法

1.MT初期化 "V -O ファイル名1" "V -O ファイル名2"

2.プログラム作成 "P プログラム名(TARA01)"

3.「CPU」ON

4.プログラム転送 "T プログラム名(TARA01)"

5.観測スタ−ト "S S"

*モニタリング "M ワ−ク名(NAGOYA)"

*終了 "B"

*赤レ−ダ−(多良間)は,低い仰角で,石垣島と伊良部島がエコ−に現れる。

6月13日

薄曇。時折晴れ間。蒸し暑い。ノ−エコ−。

朝、レ−ダ−が止まっていた。テ−プを取り出し再び始動。

T TARA01 ・・・プログラムの送信

S S ・・・開始。時刻を合わせること。

デ−タの吸い上げとCDへの書き込みをおこなう。

午後デ−タの吸い上げ再開。テ−プデバイスのエラ−。「error code U209」 テ−プの終わりが折れていたことが原因らしい。 デ−タは一応入ったので、テ−プをまきとり、MT装置をクリ−ニング。 MT装置再びエラ−。テ−プの最後の方でテ−プがたるんで折れる。 4時半頃、もう一度稼働すると成功。

17:45レ−ダ−観測開始の練習のため、観測を停止。RHVモ−ドもやってみる。 ASI(MODE1)はアンテナが高速回転。

19:12通常運転開始。

18:10頃、北東方向から雷鳴が数回聞こえる。

19:23北側48km〜60km付近に弱いエコ−。高度5km付近に風のシアがありそう (下層:南南西風、上層:北西風)。最下層の雨粒は高度2.5kmくらいかな?

00:00レ−ダ−止めてしまった。OFFLINEでテ−プを初期化しようとしたた め。

6月14日

晴れ 蒸し暑い。直射日光。 まとまった降水帯は多良間の北(観測領域外)を東へ通過したよう。

12:50 サイトでの降水はなし。Velocityのエコーから時計回りのシアがあることがわかる。Intensityは点在(1〜2個)。

14:46 ノーエコー

16時 坪木さん到着。

21:20 レーダー停止を確認。(ファイル名:060614M05) 21:36再開

ファイル名について
060614M05の場合:左から06→2006年、06→6月、14→14日、M→赤レーダー (MainのM。青レーダーはSubのS。)、05→5本目のファイル。

6月15日

朝 南風が強い。涼しい。雲少なく、晴れ。京都の友達から、関西の方では大雨だっていうメールがきた。 うらやましい・・・。

9:00 PCへのデータの吸い上げを行う。(ファイル名:060612)

13:45 晴れ。直射日光。巻雲が見える。 午後は風が強くなった。

20時すぎ 突然の激しい雨。大粒で強い雨が数分間続く。5分くらいですぐ止む。

20時25分頃 大粒の雨粒がぱらつく。

6月16日

朝 積雲がぽこぽこ立っている。黒い雲の塊がとおりすぎる。

10:30南西風が強い。風の向きに沿って雲の筋が3〜4本(南東側)。雄大積雲が立っては消えのくりかえし。時折雨粒が肌にあたるのを感じる。

17:30初期化失敗のため一旦停止(060616M03)。

23時すぎ 風は昼間より弱い。車の窓に夜露。放射冷却?星がきれい。天の川も見える。が、すぐ雲に覆われた。サイト近くのフェリー乗り場に大型フェリーが停泊。レーダーのシャドーとなる。

6月17日

9時 風は弱い。積雲が立っては消えのくりかえし。昨晩のフェリーは姿を 消す。

14時 夏休みみたいな天気。青空。巻雲がひろがる。積雲は3000mくらいにしかならず、すぐくずれる。積雲は北側に多い。風はそれほど強くはない(南西風)が、下層雲(積雲)の流れは速い。

18:50 そよ風。南西風。背の低い積雲がゆっくり流れている。比較的かわいた空気。

※水雲は比較的黒っぽく見えるらしい。

22時すぎ 満天の星空。銀河がはっきりと見える。こんな天気にエコーなんか見えるわけない、ということで一旦ブレイクして両方のテープを取り換える(朝早くテープ交換に来なくていい)。でも石垣島上空にVelocityでまとまったエコーがうかっている(仰角0.4〜3.6度。高い仰角では48km以内に点在)。Velocityで石垣島の方向にぶつぶつと線状に変なエコー。ノイズ??

6月18日

9時 あいかわらず暑い。少ししめっている感じがする。梅雨前線はちょっ とだけ南下したらしい。大東地方は晴れの予報。

Velocityで石垣島の先端にまとまったエコーが見える。昨晩とほとんど同位置。 →島の影響でみえるものか?降水エコーか?西北西60km、北北東64kmほどのところにも弱い降水エコー。

10:54頃 RHIモード(プログラム名:TARAV01、ファイル名:060618M02)。石垣島方向(260°)に見える層状の雲を切る。近づいてきている。

11:45 層状の雲(高層雲)がサイト上空にかかる。

14:36から遠距離モード(プログラム名:TARA40)・・・r=40kmを基準にして仰角を細かくわける。(40km以遠の解像度が密になる。)

14:45 石垣島の北西にエコー。Velocityでも現れ、近づいてきている。仰角2.5〜14.9°で現れ、6.7°で最大面積。多良間の北北西方向にエコー。しかし、Velocityではノイズ。→セカンドトリップか?(梅雨前線が南下してきており、そこからのエコーが見える?) AZI=30°、240°の方向にVelocityのノイズ。低仰角のAZI=30〜300°でVelocityのノイズが多い。

15:00 270°方向、r=24kmにエコー。エコートップ9kmほど。→積乱雲からひろがった巻雲か?新しいセルはレンジの外でできているっぽい。石垣島の影響がおおきいよう。

17:30 標準モード(プログラム名:TARA01)。積乱雲がデュアル領域内に入る。

18時頃 大粒の降雨。南西方向から近づいてくるのが見える。雲の先端から雲が吹き出している。雲底から雲が垂れ下がっている。大粒の雨が南西風にあおられて斜めにたたきつけられる。ガストフロントがやってきた。

雨が止んだあとは多良間の東側を囲むような弧状のエコーとなる。梅雨のおおきなシステムは多良間のずっと北にある。

19時すぎ 1つめのシステムが去り、次のシステム(北北東ー南南西のライン状)が近づいてくるのが見える。稲妻と雷鳴が頻発。デジカメの電池が切れたので、バッテリーを宿にとりに帰る。

20時前 再び強い降雨。

20:00からRHIモード(270°方向)。高度5km付近に融解層。一つめのシステムが南北にのびるライン状になる。発達している。一つめのシステムの北側部分が南側部分よりさきに東へ進み、ライン状システムは弧状になる。2つめのシステムが1つめのシステムの南側部分と合体し、一つのシステムとなる。Velocityはほぼ一様の南西風。下層(1km以下)でシアがある。

21時頃 雨は少しおさまる。

23時から再び強い降雨。稲妻と雷は続いている。Velocity:2kmまでは南風、5kmまでは西風、5km以上は南風。多良間ー宮古は梅雨本体に入ったよう。

0:30 標準モード(TARA01)。

***プログラム名のおさらい***

PPIモード(6分ボリュームスキャン):TARA01

PPIモード(12分ボリュームスキャン):TARA02

RHIモード:TARAV01

遠距離モード:TARA40

普段(PPI6分)は1回のボリュームスキャンのあと、仰角4.9°で一回まわして時間を調整している(データには残らない)。12分モードはデータに残らない調整を長く行う(テープの節約)。

****地元の漁師さんの話。****

海でも竜巻は起こる。竜巻が起きるのは分厚く黒っぽい雲ではなく、薄く、白っぽい雲。薄い雲が層のようになっているときに起こりやすい。雲底から地面に向かって竜巻が降りてきて、地面に達せずにまた引っ込む、ということもよくある。季節を問わずできる。

水納島で雲がひっかかり、そこで降雨があると、その雨雲は多良間までやっ てこないことがよくある。水納島で雲がひっかからないと、多良間まで降水雲が やってくるそうだ。

6月19日

6:30 雨が少しぱらついている。風はほとんどなし。曇り空。雲の切れ間か ら青空も見える。

9:30 涼しい。梅雨前線は南に下がったよう。

10:52 多良間の南にセルらしきエコー点在。Velocityは一様な南南西風で強くはない。

11:15 南南東に積雲列。境界層上端付近にできることがあるらしい。加熱一様、風も穏やか、摩擦も少ないので収束もない(だろう)というような場。

11:55 降雨。ぱらつく程度。仰角8.8°でほぼ南南西風。

15時 北側に層状の弱いエコー。

16時 陽射しが強い。積雲がぽこぽこ浮かんでいる。

17:20 読めなかった青レーダーのMTを読んでみる(坪木さんが)。BOT〜ヘッダの部分が切り過ぎて短くなっていたことが原因らしい。→いらないテープを両面テープでひっつけて補う。

※テープの中身の構造=ヘッダ+データの部分+EOF(データを収録するとき、ヘッダとEOFの部分は捨てて読まない。)

****mtdread関連コマンドのおさらい****

・「mtdread」:ヘッダ(捨)→データ→EOF(捨)→ヘッダ(捨)→データ・・・の順に読んで行く。何らかでこの順が変わっていると読めない。首落ちなどでおかしな終了のしかたをすると順序が変になる。エラーで1回止まったときはテープを新しいのに取り換えて記録するようにするのが無難。

・「mtdread.check」:mtdreadで捨てていた部分もふくめて、テープの全部を読む。mtdreadでよめなっかたときこのコマンドを使う。

・「mtdread.xx」:これはやってはいけない。データが終了したという合図があっても強制的にその後のデータも読むコマンド→上書きする前の別のデータも読んでしまう。

6月20日

7:00 晴れ。MT交換がおくれたため7:20頃ストップ。r=10km、30°方向にセル。肉眼では見えない。r=10km、260°方向にもセル。石垣島の方に積乱雲らしきものが肉眼で見える。サイトに向かう途中、地面が濡れているのを確認。明け方にひと降りあったよう。対流性の短時間の降水かなあ。じめじめ蒸し暑い。雄大積雲がよく立っている。

9時頃 r=10km、30°方向に小さいが、かなり強いエコーがある(低仰角)。サイトから肉眼では見えない。遠ざかっている。高い仰角ではみえないので、背の低い積乱雲か?

二次隊観測終了