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最新版は Ver. 0.4 です(GMT-3.1.1 へのパッチです)
GMT は地球物理学分野における図を作成するのに非常に有用な ソフトです。非常に詳細な地図情報を持っており、出力したいデータ を出力したい地図の上に投影してポストスクリプトファイルに することが出来ます。そして、何よりも出来上がった図が非常に 奇麗であることが私が利用し、勧める大きな理由です。
しかしながら、GMT にはベクトルの表示の際、矢印による表示は 可能なのですが、気象学で用いられるような矢羽に関しては、 (おそらく作者が気象関係者ではないからでしょうけども) 残念ながらありません。
そこで今回、矢羽を GMT で描画するためのパッチを作成しました。 このパッチをあてることにより、grdbulb というコマンドが 作成されます。このコマンドにより作成した図のサンプルを ここで示します。Ver.0.3 より、 psxyからも呼び出すことが可能になりました(-Sw オプション)。
GMT 矢羽拡張パッチ Ver.0.4 の入手先は ここ(38kB)です。このパッチは GMT Ver. 3.1.1 にあてるものです。現在のバージョンは Ver.3.3.3 ですが、こちらにはまだ対応していません。 つづいてパッチをあてるための GMT(GMT3.1.1_progs.tar.gz) を入手して下さい。GMT そのもののインストール方法は NetCDF ライブラリをインストールするなど順序がありますが、ここでは 説明をしません。将来的にはこちらについても紹介しようと思います。 僕がインストールしたログをここ に載せておきました(GMT だけではないですが…)。
GMT3.1.1_progs.tar.gz を適当な作業ディレクトリで展開します。
% tar zxvf GMT3.1.1_progs.tar.gzまたは% gzip -cd GMT3.1.1_progs.tar.gz | tar xvf -展開後、GMT3.1 ディレクトリに移動して下さい。% cd GMT3.1拡張パッチを GMT3.1 ディレクトリにコピーつづいて解凍してからパッチを あてます。% gunzip gmt_3.1.1_bulb.patch.gzあとは通常のインストールと同じです。README を参考にコンパイル 及びインストールをして下さい。パッチには新しくできるコマンド grdbulb のマニュアル(grdbulb.l)及び、bulb パッチ対応の psxy のマニュアル(psxy.l)も含まれています。GMT のマニュアル のあるディレクトリにコピーして下さい。
% patch -p1 < gmt_3.1.1_bulb.patch
grdbulb
このコマンドは grdvector のソースを利用しましたので、grdvector を使ったことのある人は 比較的すぐ利用できると思います。grdvector とのオプションの 違いはくらいです。初めて GMT を扱う人、あるいは grdvector を扱ったこと のない人は、マニュアルを参考にして下さい(将来的には最低限の説明 が書ければいいとは思いますが…)。
- C , G オプションがない
- S オプションは(今のところ)つけても無意味である
- Q オプションの指定が異なる
grdbulb はさまざまなオプションを持っています。ここでは、 矢羽の形状等を指定するオプション Q について解説します。
オプション Q はさらに4つのパラメータを指定します。bulbwidth は羽根の長さを、bulblengthは支柱の長さ、bulbangle は支柱と羽根の角度(o)を、そしてbulbscaleは 羽根一本を表す大きさをそれぞれ表しています。上の図も参考にしてみて 下さい。
- 書式 -Q<bulbwidth>/<bulblength>/<bulbangle>/<bulbscale>
- サンプル
- -Q0.4/1.0/120/5
その他のオプションについてはマニュアルを参考にして下さい。
psxy
psxy を用いて矢羽を表示させるには -Sw オプションを利用します。このオプションを 利用の時には入力するファイルの書式がのように4列になります。また、grdbulbと同様に、-Sw につづいて サイズを指定することができます。書式はX Y 角度 大きさ-Sw<bulbwidth>/<bulblength>/<bulbangle>/<bulbscale>です。それぞれの説明は上のgrdbulbを参考にして下さい。
この拡張パッチは現在のところ試作段階です。このためマニュアル、 引数処理等バグが潜んでいるおそれがあります。
また、要望がありましたら、メール にてお願いします。質問なども受け付けています。
- 完成度の向上
- マニュアルの整備
- GMT Ver.3.2 以降のパッチ作成
- 本家へのマージ(野望)
Q: すでに GMT を導入しているのですが、パッチをあててできた grdbulb だけをコピーすればいいでしょうか?
A: 他のプログラムにも影響がありますので、コンパイルにより 作成された GMT のプログラム すべてをインストールし直して下さい。
Q: このパッチを再配布してもよろしいですか?
A: このパッチは GMT 同様 GPL に従っています。従って、再配布可能です。 ただし、現在は試作中ですので、注意をして下さい。
Q: 使い方の質問は誰にすればよいでしょうか?
A: 遠慮なく私までどうぞ。メー ルもしくはこちらまでお願い します。