*大東忠保 (おおひがし ただやす)(大気圏水循環研究推進チーム, VL推進室・助教)

 私はこの気象学研究室で大学院生時代を過ごしました。博士取得後、カナダのトロント大学に研究員として就職し1年間を過ごしたのち、現在はこの研究室と深い関わりをもって研究をしています。大学院でこの研究室を選んだ理由は、学部の卒業研究を進めていく中で詳細な観測が必要だと感じたからでした。今になって思えばどれだけその重要性をわかっていたかは疑問ですが、結果的に大学院時代は思う存分観測に参加し、そのデータを使って研究を行うことができました。自然科学の基本はまず実際の現象をみることだと思いますが、その当たり前のことも気象を捉える場合は大掛かりとなり、どの研究室に行ってもできるとは限りません。気象学研究室では雲・降水に関係した様々な観測のチャンスがあることでしょう。
 観測は基本であり重要ですが、一方で大気全体を隅々まで観測することは不可能ですので、観測だけから疑問に思ったことの全てを解決することが簡単では無い場合もあります。そのような場合は、気象学研究室で開発が進められている雲のシミュレーションモデルを使って問題の解決に挑むことも有効的です。シミュレーションモデルを使えば温度、湿度、雲、雨など大気の状態を隅々まで見ることができます。開発はここで進められていますので、導入されていないプロセスを組み込んで調べることも可能で、例えば、雷の帯電と発雷のプロセスをモデルに組み込んだ後輩もいました。
 このように気象学研究室では、気象の現象を追求できる環境が整っています。日本を引っ張る先生方、多くの先輩方と一緒に、大気にひそむ問題に思う存分チャレンジしてはいかがでしょうか。




*大気圏水循環研究推進チーム, VL推進室所属で気象学研究室強い連携をもって研究を遂行するスタッフ。


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