青レーダ観測日記
にゅーいやーstorm特別観測編!
あけおめ、ことよろ。
2001年1月3日(水)
(出世)
正月も終わった。おなじみのしらさぎ3号で押水入り。
前回に増して、ものすごい強風。そとに出てちょっとジャンプしてみたら、飛ばされた。あー、危な。シェルターも風でがたがた揺れっぱなし。ここでさえこんなだから、海岸沿いに置いてある低温研レーダはこけないだろうか。いや、きっとやばいにちがいない。こぶ茶を飲んでほっと一息、さ、頑張ろう。
14:00 青(押水町)レーダ観測開始。(dual開始)
クリスマスstormと違って、全く雷が鳴らない。エコー頂は約4〜5km。西から東の主風向に沿った走向を持つLモード筋状エコーが観測されている。最大で直径7〜8mmのあられが降った。
(若月)
山口から押水直行!まだ読んでいない年賀状がきになる。夜中21時半頃到着。大粒の霰と強風。気温は思ったほど低くはなさそうだったけど、風が強くてやっぱり寒い。お風呂が気持ちよかった。押し寿司弁当も格別で、さば、タイ、ます、穴子の4種類の押し寿司が楽しめた。観測といえども、優雅なお正月の一日の延長のようなきもしつつ、心地よい眠りについた。ZZzz..
2001年1月4日(木)
(若月)
白い。寒い。眠い。
真面目に書くと、、、昨日に引き続きLモード降雪エコーが広がっているが、細い降雪雲列ではなく、ある程度幅の広い雲群として観測されている。エコーもレーダレンジ内全域を覆っており、降雪域は散在して存在しているのではない。エコー域は少しずつ南下してレーダサイトも降雪域に入ってきた。とにかく、白い、寒い、眠い。風は20m/s以上と推定される。視界は100mもない。雪が降り始めて20分で一面真っ白に変わってしまった。たまに観測するのもわるくない。今日は(も)ビールのもう。お刺身でるのかなあ。
(出世)
朝、寝坊して若月さんに起こされてしまった。屈辱。
役場は今日から仕事始め。受付のお姉さんにごあいさつ。う〜ん、いい人。お昼ごはんは役場の近くのお店に食べに行こうと思っていたけど、若月さんが、「風が激しすぎて外に出たくない。」って言うのでしかたなくやめた。
12:00現在、積雪量5〜6cm。相変わらず雪は降り続いているが、さっきまで吹き荒れていた強風は弱まった。風くんもさすがにお疲れの様子。このすきに「キッチンクラブおしみず」のお弁当を食べて、午後の観測にそなえましょう。
(若月)
[おまけ1]
4日午後1時18分ごろ、新潟県を中心に強い地震があり、同県十日町市などで震度5弱、柏崎市や小千谷市などで震度4を観測したほか…(朝日新聞より)
低温研レーダ危うし!!
[おまけ2]雪のようすについて
日本列島は4日午後も東北南部や関東甲信北部を中心に大雪が続いた。冬型の気圧配置が続き上空に強い寒気が流れ込んでいるためで、気象庁は福島県や群馬県などの一部に大雪警報を出して雪崩などの警戒を呼びかけた。
4日午後3時まで24時間の降雪は、福島県南郷村で74センチ、群馬県水上町で68センチ、福井県和泉村で62センチ、新潟県湯沢町で55センチ、山形県米沢市で41センチなど。
(以上朝日新聞のコメント)
[おまけ3]思い込みは禁物
今回の雪は雷がならない!と思っていたら、2日に激しい雷雨に見舞われていたと現地の人に聞きました。
雷と降雪の関係について、理解ができていないなあ。
(出世)
傘をさして歩いていたら、傘の骨が折れた。役に立たん。
今日は役場の新年会。私たちはいつやります?
今日の午前中まではエコーが観測されている全高度で西風であったが、東西に延びる帯状のエコーが南下し、レーダサイトを通過した昼過ぎから下層に北寄りの風が入ってきた。その後は、散在エコーが時折LモードやTモードのラインを形成しているように見える。
今日のテーマ曲はhitomiの「LOVE
2000」。にせものなんか興味がないの。ほんとだけをみつめたい。
2001年1月5日(金)
(出世)
依然西からの風が吹いており、昨夜の段階ではLモードのエコーが優勢であったが現在は海岸線にほぼ平行な走向のTモードのエコーがdual領域で観測されている。ライン状エコーは約20km間隔で並んでおり、約30分間隔でレーダサイトを通過。エコーの通過に伴い霰雨雪が降り、ラインとラインの間では、太陽の光が差し込む。観測はいたって順調!
11:40 最大で直径約1cmのあられがレーダサイトに降った。機械の裏で寝ていた若月さんも、さすがに霰がシェルターに当たる音で起きてきた。
(その若月)
は、自分たちが雪や霰のことをあまり知っていないことを実感させられた。役場の受付のお姉さんに『すごいですね』と言ったら、『初めてですか』と返されてしまった。このくらいの霰が降るのはどうやら常識らしい..。
観測していて、どうやら1本のMTテープは11仰角だと5時間半くらい持つらしいことが分かった。(ちなみにYAKUBA3)
まあ、楽なのに越したことはない。体重がXkg増えた。
(出世)
近所の人の話では、40年前は1mくらい積雪があったらしい。「最近は地球温暖化ですっかり雪も減ったよー。」と教えてくれた。昨日役場の人に聞いた話では、「今では積もっても20cm。くるぶしくらいだねー。」ということだ。雪が降っても風で吹き飛ばされるとも仰っていた。
疑問:積雪量が減った原因は、雪が降ったとしても近年の気温の上昇によって地上で解けて流れてしまうからなのか?それとも、降雪(水)量そのものが減少しているのだろうか?それとも、、、??
こんなことも知らずに観測をしているなんてなー。それともまだよく分かっていないことなんでしょうか。
昨日新潟を中心に起こった地震で、この辺も揺れたかな、と思って近所の人に聞いてみたら、(シェルターは風とアンテナの振動で常に揺れているので。)「風で家が揺れてて分かんなかったねー。」だそうだ。改めてこの地域の風の威力を感じた。役場の受付のお姉さんともそんな話をしていて、思わず「よくこんな所に人が住めますね。」と言ってしまった。こんな自然の厳しいところで暮らす人達はすごいですね、大変ですね、という意味だったのだけど、あとで考えると、ちょっと失礼な言葉に聞こえたかもしれない。それでも受付のお姉さんは、「この辺りのお家は頑丈にできてますから。」とにこやかに対応してくれた。うーん、押水の人たちの心はあったかい。積雪が減ったのも、きっとそのせいだろう。
(若月)
今日の夕飯は、たこ、かに、アジ、トロと海の幸満載だった。おいしかったなあ。御飯も4杯。満足満足。やはり、観測には体力が必要だからなあ。
それはともかく、今日観測したエコーはいまいち統一性がなかったような気がする。時にはTモードらしく時にはLモードらしく、でも結局散在していた。GMS画像なんかを見ると、この付近にくる雲だけ、なんかゴチャゴチャしていて、新潟付近に抜ける雲は明らかにLモードと分かる雲ばかりだ。あと気になったのが、雲頂高度の変化で、明らかに雲が陸地に差しかかって、上陸するにつれて高度が増していたことである。山際だけ高度が増していれば理解できるけど、海上から徐々に高度が上がっていたので不思議だなと感じた。
PS) お昼寝は、MTダンボールの上がよい。地べたは寒いと分かった。(発見!)
(出世)
若月さんがおっしゃるとおり、ライン状エコーと言っても、散在エコーがなんとなくライン状に並んでいるという印象が強い。しかし、今日は年末からの観測を通して最も顕著なTモードのレーダエコーが観測された。午後からは、下層は西北西風、中層は西南西風と、鉛直シアが目立っていた。地元の人の話では、山沿いでは霰が降ってもこの(役場の)あたりよりずっと量が多いらしい。エコー頂高度の変化と関係があるのだろうか?海岸からの距離で量的にどれくらい違いがあるのだろうか?そういうこともM1が中心になって企画している雪の振り分け観測で分かるかな。
今日のテーマ曲は「seasons」。そして何を見つけるだろう、、、。
2001年1月6日(土)
(出世)
いつもはびちゃびちゃの道も、今朝は凍っていた。役場に来る途中、つららも見かけた。今日はこれまで横から降っていた雪もちゃんと上から降ってくる。この観測期間中でおそらく一番気温が低くなっていると思うが、風が弱まっているので、それほど寒くは感じない。長かったにゅーいやーstorm観測も終息に向かいつつあるようだ。
B日程の観測では、ぜひレーダサイトで気温なども測ってみましょう。
(若月)
まあまあよい観測であった。あとは解析する人がどうするかな??
このレーダサイトは車がないので、結構歩かなくてはいけない。健康的な生活ができたことは◎。
レーダの調子はまずまず。周波数調整が微妙なので慎重に調整してほしい。あとは何とかなるでしょう..。
(若月・出世)
レーダサイトではまだ雪が降っているが、17:00観測終了。しんしんと降る雪とはまさに今降っている雪の光景をいうのだろう。押水町に来るまでは、こういう雪を観測するのだろうと思っていたが、とんでもない間違いであった。瀬戸内海沿岸出身の私達にとっては、日本海の冬の厳しさは想像を超えるものがあった。あと1ヶ月、この集中観測を通して、これまでに経験したことのない自然の厳しさと体重の増加を味わうことになるだろう。忘れかけていたお正月の雰囲気がよみがえってきた。
赤(手取川土手)レーダで元旦から頑張っていた大東くん、高松さん、ご苦労さまでした。
名古屋大学にゅーいやーstorm特別観測2001、ひとまず終了。