赤青レーダ観測日記
勝手に完結しないでぇ!
まだまだ観測してるよ編♪
2001年7月21日UPDATE
赤レーダの記録。(しゅ)
2001年7月8日(日) 赤レーダーズ日記
ちびっこ帰国の日。
坪木さんと私は、テープ交換の為7時にサイトへ。
ちびっこ達はホテルをチェックアウト。
宿泊代は後払いで、電話代だけ払うというややこしい清算だったことと、
間違えて3倍もの電話代を請求されたりで、少し手間取っていました。
なんとか無事、チェックアウトも終わり、ちびっこ最後の朝ご飯。
青レーダーズ帰国組みが周庄のホテルに迎えにくる時間がせまっていたので、
坪木さんが時間のかかるショウロンポウを止めたにもかかわらず、
私が注文した卵焼きが手違いで出てきませんでした。
そんなこんなで、結局約束の8時15分にはホテルに戻れず、
帰国組みの付き添いで来ていた篠田さんは、少々お怒りモード。
この時点で、赤レーダーズ延長組みは、すっかり信用を無くされてしまったようです。
以後、気をつけます。
どうにかこうにか、ちびっこ達は周庄を出発し、
別れを惜しむまもなくあわただしく日本へと帰っていきました。
午前は自動観測となり、12時までホテルで休息。
ホテルのお姉さま方が掃除をしに部屋へ入って来て、「今日は仕事はないの?」と話しかけて来ました。
赤レーダーズ通訳係長の坂本君が帰ってしまい、
坪木さんのお世話は私がするしかない、と、私もやっと中国語を勉強する気になっていたので、
さっそくお姉さまをつかまえ、本場の発音を教えてもらうことにしました。
紙に、『観測所』と書いた時、
お姉さまが、部屋のトイレを指差して、「不好マ?」と聞いてきました。
なんのこっちゃと思いながら、とりあえず、「好、好」
と答えておいて、もう一度、これは何と読むの?と
『観測所』を見せたら、ちょっと妙な顔をして、またトイレを指差し、
「不好マ?」と聞いてきた。そこで、やっと気づきました。
中国語でトイレは『厠所』。
『観測所』の『測』と『厠所』の『厠』はとてもよく似ているのです。
しかも、発音は同じ。
そういえば、坂本君もそんなことを言っていました。
つまり、お姉さま方は、『観測所』と紙に書かれて、
『厠所(トイレ)』を『観』てくれ、と言われたと勘違いしたのです。
それに気づいた私は、
「いやいや、そうじゃなくて、『観測所』という単語の発音を教えてもらいたいだけなんですよ。」
と言ったところ、2、3度繰り返して発音してくれました。
私はすっかり満足して、お姉さまの素早いベッドメイキングに見とれていました。
ところが、お姉さまが部屋を出て行く時に、「この字は、本当はこう書くのよ。」
と、『測』をくちゃくちゃっと鉛筆で消して、『厠』と書いてにこっと笑って去って行きました。
つまり、そのお姉さまにしてみれば、変な日本人に
「トイレを見て、トイレを見て、トイレを見て、」
と3回も繰り返して言わされていたわけですね。
全くひどい話です。
午後は、観測。
レーダサイト東、約50kmのところに、エコー頂4-5kmのちびっこ対流性エコー。
おそらく日射で地面が温められて発生したのでしょう。
青レーダ山田さん情報では、梅雨前線はサイトの南側にあり、
数日中に再び北上し、サイトを通過する可能性があるようです。
あと1週間、どんな現象が見られるのか楽しみになってきました。
さて、晩ご飯。
いつまでもちびっこ達が連れていってくれたレストランに行っているようでは、
日本に帰ってから、ちびっこ達になめられてしまう、と、
早速新しいレストランにチャレンジすることにしました。
ぱっと見、桃井かおりのおばちゃんが出迎えてくれました。
私と坪木さんで、2菜1タン(スープ)を注文。
恵さんに残り1菜を選んでもらいました。
どうやらこのパターンが定着しそう。
そして、恵さんの中国語講座が始まりました。
恵さんは、根気強く話を聞いてくれて、しかも使う単語を微妙に増やしてきます。
かなりgoodな中国語てぃーちゃーです。
2001年7月9日(月) 赤レーダーズ日記
天気真好!
山田さん情報によると、昨日まで上海の南にあった梅雨前線は
ジャンプして(?)北上し、今日は北京付近にあるそうです。
サイト周辺には高気圧の中心が居座っており、
今日は久しぶりに朝から青空が見えています。
雨の気配は全くありません。
午前、自動観測でもいいということでしたが、
ホテルに居てもしかたがないので、サイトへ。
ちびっこ達から引継いだ、赤レーダ救急袋の中身をチェックしてみました。
ちびっこ達の使用量は次のとおり。
バンドエイド 少々。
キズリバエース 少々。
チョコラBB(肌荒れ、にきび、口内炎) 少々。
ビタミンC-L錠 約40錠。
虫ガード(虫除けウェットティッシュ) 少々
キンカン 25ml。
パブリックス(痛み、熱) 12錠。
パブロン(風邪) 8包。
ほうじ茶ティーパック 14袋。
ラクトコート(乳酸菌整腸薬) 42錠。
ちびっこ苦悩の跡がうかがえます。
とりあえず私も、肌荒れ対策にチョコラBBを飲みました。
午前中はほぼノーエコー。
お昼ご飯。
ちびっこ達にひそかに対抗意識を燃やしている坪木さんと私は、
なんとか新しいレストランを探さなければ、という脅迫観念にかられて、
今日も始めてのお店に行ってみることにしました。
入ってみると、客が全くいなかったので、これは失敗か!?と思いましたが、
料理はやっぱりおいしい!
空心菜、家常豆腐、青椒肉スー。冬瓜咸肉スープ、の4品。
メニュー選択もすっかりお手のものです。
同じ料理でも、店によって、微妙に違う味付けが楽しめます。
金ぴかネックレスが素敵なお店のおじさんは、
全部で51元のところを、50元におまけしてくれました。
午後は、対流雲の発生に備えて、観測プログラムを6分モードに変更。
14時すぎ頃から、高度7〜8km付近に浮かぶ小さなエコーが複数観測されました。
絹雲をとらえているのでしょうか?
赤レーダは、ありがたいことに、すこぶる順調。
坪木さんと、レーダの為にも、最後まで連続運転することに決めました。
16時頃、シェルターの外に出て、ぶらぶらしていると、
近所のおばちゃんが、「シェルターの中を見たい」
というので、どうぞどうぞ、と案内しました。
シェルターの中を見回したおばちゃんは、
「なんやこれは、」と言わんばかりの妙な顔つきをしていました。
一応説明しておこうと、
「雨が降ったらここで分かるんですよ。」
とディスプレイを指差して言ってみたが、全く興味はなさそう。
しばらくすると「謝謝」と言って、帰って行ったが、
シェルターを出たとたんに、笑いながら大きな声で、外に居た人に話し掛けていました。
いったい何を言っていたのか、気になるところです。
山田さんより、「今夜は全くでそうにないので、レーダは止めてもいいですよ。」
と連絡がありましたが、赤レーダは連続運転ということで、了解を得ました。
夕食は、お馴染み、となりのホテルのレストランへ。
糖醋青椒、回鍋肉帯餅、マーラー豆腐、蕃茄蛋スープ。
食が進みすぎて、もう大変。
中国に来てから食べすぎでズボンがきつくなった坪木さんは、
恵さんと、どっちがお腹が出ているか、勝負していました。
長谷川くんばりのジェスチャーで、すっかり恵さんといいコンビです。
ちなみに、このレストラン、
常連さんの私たちは、なんと、20%も割り引いてくれているようです。
2001年7月10日(火) 赤レーダーズ日記
山田さん情報によると、梅雨前線はゆっくり南下中。
熱帯低気圧が台湾の南で発生したそうです。
前線南側の発達した対流システムが観測レンジ内に入ってくる可能性があるので、
午前は自動、午後は有人観測となりました。
今日もお昼は新しいレストランにチャレンジ。
周庄の街を出てすぐのところにある、大きなホテル(雲海度暇村)のレストラン(雲都)。
値段が少し心配でしたが、同じ料理なら、他の店とほとんど変わりません。
香月脆蝦仁豆腐、百叶炒韮菜、黒木耳三味圓、成都蛋スープ。
これがまた、おいしくて。
午後の観測。
北から弱い(INTでは見えない)層状性のエコーが広がってきました。
RHIは観測していませんが、高度500m、7km、10km付近に3層あるようです。
なかなかよい傾向です。
昨日までは東風だった下層風も西風となり、前線が近づいている兆候が見られます。
1630頃、サイトより南50km付近に対流性エコーが数個観測されました。
対流性エコーは、約15kmの間隔で東西方向に並んでいましたが、
それぞれは南北の走向を持ち、長さは約20kmでした。
やっと出ました、エコー頂約10kmの孤立した対流エコー。
これはちびっこではありません。
まるでクリオネのような形をしていたので、クリオネエコーと名付けました。
サイトから目視でも積乱雲が確認でき、ビデオでも撮影しました。
エコーの寿命はそれぞれ約2時間でしたが、その間ほとんど移動しませんでした。
残念ながら、dual領域にはシステムの一部しか入っていませんでしたが、
赤レーダでは、ほぼ発生から消滅まで観測できているので、
興味深いデータが取れたと思います。
恵さんより、今日テレビに耿さんが出演していたことを聞きました。
7月3日に赤レーダーズが東山を訪れた時に撮影されていたものです。
耿さん、ちゃいなデビューですね!
現在、梅雨前線はサイトの北西約120kmまで南下してきたそうです。
明日以降の観測も期待できそうです。
2001年7月11日(水) 赤レーダーズ日記
昨晩の観測は自動で行われました。
昨日より日差しが強く、朝から蒸し暑い。
午前中も自動観測。
水郷村へお出かけしました。
ガラスの中に絵が描かれた小物に興味を持ってしまい、お店に引き込まれました。
お店のお姉ちゃんは、少し英語ができたので、話もはずみ、
1時間近く店の中をうろうろしていました。
絵はかなり精巧に描かれていて、お姉ちゃんは、自分が描いたと主張していました。
それが本当なら値切るのは申し訳ないと思なぁ、と思いましたが、
ここでひるんではいけないと、元値の3分の2まで値切り、
おまけにもう一つ、つけてもらいました。
その次に入ったのは、またしても同じガラスの小物のお店。
今度は、周庄の風景が描かれたものがあり、
とても気に入ったので、2つ買うことにしました。
そこのお姉ちゃんは、中国語だけしか話せないのですが、
なんだかとても気が合ってしまい、やっぱり長居してしまいました。
そこでも心を鬼にして値切りました。
お姉さんは、その場でガラスの中に名前を書き入れてくれました。
それを待っている間、椅子まで出してくれて座っていたのですが、
そこまで待遇がいいということは、もっと値切れたのかもしれません。
午後は坪木さんと一緒にサイトで観測。
14時頃より対流性エコーも出ていましたが、
そんな時に限って、MT装置がデバイスフォルトのエラーを出しました。
これまでならクリーニングをすれば、回復したのですが、今日はかなりてこずりました。
何度もクリーニングをして、テープも換えてみましたが、全くどうにもなりません。
「あともう少し、頑張れよ。」と、必死でテストを繰り返しているうちに、
気持ちが通じたのか、突然回復しました。
機械のご機嫌をとるのも、楽ではありません。
約30分、データ収録が中断してしまいましたが、
その後、エコー頂15kmの対流性エコーを観測することができました。
16時、耿さんが、中国側のお偉いがたご一行様を引き連れてレーダサイトへ。
レーダを見物し、記念写真を撮って、あわただしく帰って行きました。
山田さん情報によると、クラスターが観測領域の北側をかすめて通って行ったそうです。
確実に現象は近づいており、もうひと息です。
なんとか領域内に入ってきて欲しいものです。
夕食は隣のホテルのレストラン。
お茶ボーイのお兄さんは、髪の毛を切って、少しりりしくなっていました。
倍賞千恵子似のおしゃべりお姉さんは今日も元気にしゃべりまくっていました。
恵さんも、このレストランに来る時が一番楽しそうです。
坪木さんは、お姉さんと恵さんに、
「中国にも妻子がいるんじゃないの?」なんてからかわれていました。
言葉が通じない上に、まだ会ってから1週間しかたっていないにもかかわらず、
坪木さんにそんなことを言えるなんて、中国の人の感はなんて鋭いのでしょう。
これまでの傾向からして、日本人ならそんな坪木さんのキャラを見抜くのに、1ヶ月はかかります。
漏水、落石の続いた長谷川君、坂本君の部屋は、昨日から工事が始まりました。
彼らは、3階西側の部屋の最後の客だったようです。
どうりで事故も相次いだわけですね。
2001年7月12日(木) 赤レーダーズ日記
7月12日(木)
昨夜は坪木さんが徹夜で赤レーダのおもりをしてくれました。
MT装置の調子が悪かったようですが、どうやらMT装置の下に置いてある
UPSの熱が原因だということが分かりました。
青レーダはアンテナがご機嫌を損ねたそうで、山田さんは、
このまま観測終了かもしれません、、と弱気な発言をされていたそうです。
午前中は自動観測の指示。
このチャンスを逃してはいけない、と、
ホテルからレーダサイトまで、歩いて行ってみることにしました。
予想通り、ちょうど1時間で到着。
これで、少しはちびっこ(周庄では先輩)に追いつけたような気がします。
恵さんが、4.7kmの道のりだと教えてくれました。
車では何度も通っている道ですが、歩いてみると、
これまで気づかなかった景色が見えてきます。
周庄は、観光地となっている水郷村の外も水が豊富で、
住宅地の周辺には、必ず運河が流れています。
にぎやかな観光地とは対照的に、
水に囲まれて静かに生活している人々の様子を垣間見ることができました。
そういう所にこそ写真に残したい風景がありました。
サイトに到着したのは10時30分。
どうせノーエコーだろうと思いながらディスプレイをつけると、
なんと朝から対流性エコーが出ているではないですか。
しかも、エコー頂は最大で15kmにも達しました。
しかし、エコーの出ている南東方向を見ても、
一面もやっているため、何も見えませんでした。
昨日までは西風だった下層の風が、今日は北風となっていました。
早足で1時間歩き続けたにもかかわらず、昨日ほどは汗をかきませんでした。
日陰に入ると、涼しい風が吹いています。
場が変わりつつあるのかもしれません。
午後、しばらくノーエコー。
今日はもう何も出ないだろうと思っていた5時半頃、
エコー頂7〜8kmの対流性エコーが複数現われました。
ラインを形成しそうな様子だったので、最後まで見たかったのですが、
サイトの南西にクラスターが迫っているという連絡があったので、
夜に備えて、しかたなく食事に戻ることにしました。
夕食後、サイトに戻るとノーエコー。
今夜も有人観測ですが、坪木さんにお願いして、ホテルに戻りました。
中国の蚊は結構やっかいです。
刺された直後は、さわると堅いくらいぱんぱんに腫れ、
しかも、3、4日は熱を持っていて、さわるとほんのり暖かい。
刺されてから1週間近く、かゆいのが続きます。
一旦かゆみが治まっても、よくぶりかえします。
坪木さんに、「ちゃんと薬を塗りなさい。」と言われて、
私もすっかりキンカンを愛用するようになり、
シェルターの中は、キンカンの香りが漂っています。
坪木さんは、漂う香りでは物足りないらしく、
「キンカンの匂い好きなんだよね〜。」といいながら、フタを開け、
鼻を近づけては、「うぇっ」。「うぇっ」っと言っては鼻を近づけて、
楽しそうにキンカンと戯れています。
最近、ホテルの部屋に、いろんな虫が出ます。
蚊はもちろんのこと、全長2cmで、お尻にはさみのついた虫。
それはまだまだかわいらしい。
今日は、全長約5cmのムカデ。
サイズだけなら、10cmを超える名古屋のムカデも負けていませんが、
中国のムカデは足が長い。
小判型のふさふさふさっとしたものの中に、細い体がすっと伸びているのです。
それが、薄暗い部屋の中をささささっと走り抜けていく様子を想像してみてください。
これはちょっと気持ち悪いですよ。