考察 (discussion)
 
 「考察」の章が論文で最も重要である。「序論」で主題に対して著者の切り口で目的(問題)を設定し、結果の章で材料を与え、考察の章でその結果に基づいて答え(主張)を書く。このようにすると、論文が一貫性を持つものになりやすい。この章が著者の主張を最もはっきり書くところである。その主張は提示した結果に基づいて論理的に主張されなければならない。同じ結果でも解釈により全く逆の意味を持つことがある。ある結果をどのような切り口からどのように解釈するのか、著者の主張に沿うように、これらをまとめる。逆に言えば、主張したいことがあったから論文をまとめたのである。その点を論述する。具体的には、
-  「序論」で提示した目的に対して、結果はどのように解釈できて、どのような解が得られたのか。
 
-  予想した結果であったのか、予想外の結果であったのか。そうなったのはなぜか。
 
-  得られた結果の意味するところ、あるいは意義は何か。
 
-  この研究は、その分野の発展にどのように貢献するのか。
 
-  得られた結果は何かに利用、応用できるのか。
 
-  既知の内容と(他の論文と)比べて、相違点・共通点は何か。
 
-  結果の普遍性はどう考えるべきか。
 
-  残された問題点はどのようなもので、それを解決するにはどうすればよいか。
 
 最近では、観測とモデリングを併用した論文が多くなってきている。そのような場合は観測とモデルの両方から、総合的に何がいえるのかを論じることも必要である。