Gphys インストール

本ページでは, Gphys のインストールをソースから行う方法を解説しています. 簡単にインストールするには, 電脳 ruby プロジェクト ページのインストールガイドから各 OS についてパッケージ化されていますので, そちらをご利用下さい.

導入環境

ここでは, 以下のような環境を前提でソースからインストールを行う.

  • GTK がインストールされていない.
  • root 権限がない.
  • ruby 1.8 以上がインストールされている.
  • rubygem がインストールされている.

関連ツールのインストール

ここでは, Gphys をインストールするために必要な関連ツールをインストールする. 具体的なツールは以下のとおりである.

また, これらは以下に記す順番にインストールしていくこと.

[注意] : 特に断りのない限り, 以下で記述する「上記のページ」というのは, 上のリンク群のことを指す.

gem によるインストール

rubygem によるパッケージインストールを行うツールは以下である.

  • narray
  • narray_miss

ここでは, 一般権限でインストールするため, ~/.gemrc に以下の内容を書き込む.

gem: "--user-install"

~/.gemrc がない場合はこちらで作成する.

これらはともに, 以下のコマンドを一般権限で実行することによりインストールされる.

$ gem install narray
$ gem install narray_miss

ここで, デフォルトは ~/.gem 以下にパッケージがインストールされるが, 変更したい場合は, ~/.bashrc に以下のように環境変数を通しておく.

export GEM_HOME=[インストール先]

ruby-netcdf

C 版 netcdf のインストール

このツールをインストールするには, 事前に C コンパイラでコンパイルされた netcdf ライブラリが必要であるので, 適宜ソースからコンパイル, インストールしておくこと. その際, Fortran でのコンパイルは行わないので, configure 実行時に以下のオプションを追加しておく.

--disable-f77 --disable-f90

これを指定することによって, Fortran 版の netcdf ライブラリを作成しない.

ここでは, 用いた C コンパイラは gcc である. また, Version は 3.6 以降を用いればよい.

ruby-netcdf のインストール

  1. 上記のページから tar ソースをダウンロードして解凍する.
  2. 以下のコマンドを実行する.

    $ ruby extconf.rb --with-netcdf-dir=[netcdf のインストールディレクトリ] \
      --with-narray-include=[Narray のインストールディレクトリ]
    $ make
  3. extconf.rb で生成された Makefile を書き換えて, インストール先を変更する.

    prefix = $(DESTDIR)/usr/local/ruby-1.9.1

    デフォルトでは上記のようになっているので, これを一般ユーザで許可のあるディレクトリに書き換える. ここでは, 便宜上 $(HOME) としておく.

    prefix = $(HOME)
  4. インストールする.

    $ make install

ruby-dcl

C 版 DCL のインストール

このツールをインストールするには, C 版 DCL を先にインストールしておく必要がある. ここでは, dcl-C-5.3.3 を用いる. この理由は, インストール環境が GTK を使えない環境にあるため, GTK が必須になった 5.4.x 版では C 版 DCL が正常にインストールできないためである.

過去の DCL は陽にアーカイブページが存在しないが, URL 直打ちでダウンロードが可能である. たとえば, 5.3.3 版は ここに 存在する.

DCL のインストールは Fortran 版 とほぼ同じなので, 適宜 C 版に読み替えるだけでインストール可能である.

ruby-dcl のインストール

  1. 上記のページから tar ソースをダウンロードする.
  2. 以下のコマンドを実行する.

    $ ruby extconf.rb --with-narray-include=[Narray のインストールディレクトリ]
    $ make
  3. extconf.rb で生成された Makefile を書き換えて, インストール先を変更する.

    prefix = $(DESTDIR)/usr/local/ruby-1.9.1

    デフォルトでは上記のようになっているので, これを一般ユーザで許可のあるディレクトリに書き換える. ここでは, 便宜上 $(HOME) としておく.

    prefix = $(HOME)

    ここで, ruby-netcdf と同じディレクトリにしておいた方が後々混乱しない.

  4. インストールする.

    $ make install

これで, 関連パッケージのインストールは終了した.

ここでは, Gphys のインストールに必要最低限のツールのみインストールしたが, Gphys は, 拡張用ツールをインストールすることでその機能を拡張することができる. 詳細は Gphys の公式ページ参照.

Gphys のインストール

これらのインストールの後, Gphys のインストールを行う.

  1. 上記のページから, tar ソースをダウンロード, 解凍する.
  2. 以下のコマンドを実行する.
$ ruby extconf.rb --with-netcdf-dir=[Netcdf のインストールディレクトリ] \
  --with-narray-include=[Narray のインストールディレクトリ]
$ make
$ make install
$ ruby install.rb -d [gphys のインストールディレクトリ] \
  -b [gphys の実行ファイルのインストール]

以上で Gphys のインストールは終了である.

環境変数の設定

~/.bashrc 内に, 環境変数として RUBYLIB を設定する. 設定する値は, numru ディレクトリがインストールされているディレクトリである. 例えば, インストール後のディレクトリ構成が以下のようになっているとする.

/home/satoki/usr/local/ruby/numru

この場合, .bashrc には以下のように記述する.

export RUBYLIB=/home/satoki/usr/local/ruby

もし, この設定が間違っている場合, 以下の確認時にエラーが表示されるであろう.

Gphys の使い方

詳しくは上記ページのチュートリアル等参照. ここでは, 正常にインストールできているかを確認するために, 以下のようなコマンドを実行する.

$ irb
> require "numru/gphys" (もしくは, "numru/ggraph")

としたとき,

=> true

となれば, 正常にインストールされていることが確認できる.